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歯科医院で定期検診を受ければ、確実に歯周病を予防できますか?|川崎市の歯医者ならチーム医療の伴場歯科医院

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歯科医院で定期検診を受ければ、確実に歯周病を予防できますか? [2018年08月15日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「歯科医院の定期検診の効果」です。
歯周病の予防方法はいくつかありますが、その中でも歯科医院の定期検診が重要とされています。

実際、歯科医に「予防のために定期検診を受けましょう」と言われた経験のある方も多いでしょう。
そこで気になるのが、定期検診を受けてどのくらいの予防効果があるのかということです。
例えば、歯科医院の定期検診を受けていれば歯周病を確実に予防できるのでしょうか。

定期検診の予防効果

結論から言うと、定期検診を受けても100%歯周病を予防できるとは限りません。
最も、これはどんな病気の予防方法にも言えることで、
例えば「喫煙しない=100%肺がんにならない」とは言い切れないのと同じです。

最も、喫煙しないことで確実に肺がんになるリスクが減少するように、
定期検診を受けることで歯周病になるリスクが減少するのは確かです。
つまり、定期検診の効果は「100%予防できる」ではなく「予防効果が高まる」と捉えるべきでしょう。

定期検診の効果が得られないケース

いくら定期検診を受けても、充分な予防効果が得られないケースがあります。
例えば以下のようなケースでは、定期検診を受けても歯周病になってしまう可能性が高いでしょう。

歯科医の指導を守らない

定期検診ではブラッシング指導や生活習慣改善のアドバイスを行いますが、
これらはいずれも患者さんが私生活の中で実践しなければ意味がありません。
例えばブラッシング指導を受けても歯磨きを適当に行うようでは、せっかくのアドバイスの効果もなくなります。

定期的に受けない

文字どおり、定期検診は定期的に受けてこそ効果があります。
3ヶ月~6ヶ月に1回の頻度で定期検診を受け続けてこそ、歯周病の予防効果を維持することができるのです。
いくら定期検診でも1回受けてそれで終わりにしてしまうと、一時的な予防効果しか得られません。

他の予防方法が不充分

定期検診は歯周病の予防効果を高めますが、予防方法のメインはあくまで毎日の歯磨きです。
このため、いくら定期検診を受けても歯磨きを疎かにすれば歯周病の予防はできません。
さらに喫煙や疲労の蓄積など、ライフスタイルによっても歯周病になるリスクが高まります。

定期検診のもう1つのメリット

定期検診を受ければ歯周病の予防効果が高まりますが、
定期検診のメリットはもう1つあり、それは歯周病を早期発見できることです。
「静かなる病気」と呼ばれる歯周病は、自覚症状が少ないためなかなか自分で気づくことができません。

いつの間にか歯周病になっていつの間にか進行する…そんなケースが多いのです。
しかし、定期検診を受けていればその都度歯科医が口の中の健康状態を確認しますから、
自分では気づきにくい歯周病もいち早く発見でき、早期治療ができるのです。

<早期治療することのメリットは?>
どんな病気でも進行するほど症状は深刻になり、同時に治療も難しくなります。
歯周病の場合、初期の段階で早期治療すれば歯石の除去とプラークコントロールだけで治せます。
しかし進行すると簡単には治せないため、治療において歯肉の切開が必要になることもあります。

定期検診で行うこと

「定期検診ではどんなことをするの?」と疑問に思う方もいるでしょうから、
歯科医院の定期検診を行うことをお伝えします。

口の中の健康状態の確認

歯周病がないかを歯科医が確認し、仮に発見された場合はすぐに治療にうつります。
歯周病の有無というより口の中の健康状態全てを確認するため、
虫歯、詰め物や被せ物の異常などの発見も可能です。

ブラッシング指導

歯磨きには正しい歯の磨き方があり、その方法を指導します。
それも患者さんの歯並びに合った歯磨きの仕方を指導するため、
例え歯並びが悪い方でも効率良くプラークを除去できるようになります。

生活習慣改善のアドバイス

虫歯や歯周病になるリスクは、日常生活の過ごし方次第で高くも低くもなります。
そこで歯科医が患者さんの生活習慣をヒアリングし、改善すべきポイントを分かりやすくアドバイスします。
このアドバイスを実践することで身体の免疫力の向上、プラークコントロールにつながります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯科医院の定期検診の効果についてまとめます。

1. 定期検診の予防効果 :100%予防できるとは断言できないが、予防効果が高まるのは事実
2. 定期検診の効果が得られないケース :歯科医の指導を守らない、定期的に受けないなどの場合
3. 定期検診のもう1つのメリット :歯周病や虫歯の早期発見と早期治療が可能
4. 定期検診を行うこと :口の中の健康状態の確認、ブラッシング指導、生活習慣改善のアドバイス

これら4つのことから、歯科医院の定期検診の効果について分かります。
歯周病を予防する上で歯科医院の定期検診は欠かせません。
「定期検診を受ける=100%予防できる」とは言い切れないものの、予防効果は確実に高まります。
また、歯周病になった場合に早期発見と早期治療できるのも定期検診を受けるメリットです。
例え歯周病でも初期の段階で発見して治療すれば、歯を失うほどの事態にはならないからです。

歯周病治療の際によく聞く「プラークコントロール」とは何ですか? [2018年08月01日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「プラークコントロールの説明」です。
歯周病の治療方法を説明する時、必ず登場する言葉がプラークコントロールです。

プラークコントロールは歯周病治療の基本であり、歯周病の進行度と関係なく必要です。
また、プラークコントロールは患者さん自身によって行う必要があります。
さてそんなプラークコントロールですが、そもそもどんな意味で何をすることなのでしょうか。

プラークとは

プラークコントロールを説明する上で知っておかなければならないのがプラークです。
プラークとは細菌の棲み処であり、その中には億単位の数の細菌が含まれています。
そして、歯周病をもたらす原因菌もまたプラークの中に含まれているのです。

歯周病を治すには原因菌の除去が必要ですから、その意味でプラークは除去しなければなりません。
さて、プラークは歯に付着しているヌルヌルの物質で歯磨きによって除去できますが、
完全な除去は容易ではなく、なぜなら透明なため目に見えないからです。

プラークコントロールとは

プラークコントロールとは、上記で説明したプラークを効率良く除去することです。
ちなみにプラークを除去するという点では、定期検診などで行う歯のクリーニングもそれに該当します。
ただし、歯周病治療において求められるのは患者さん自身によるプラークコントロールです。

つまり患者さんが日常生活の中で行うもので、その方法のメインは歯磨きです。
最も、歯磨きなら毎日欠かさず行っている方がほとんどでしょうが、
きちんとプラークコントロールができている歯磨きを行っている方は、実はかなり少ないと考えられます。

歯磨きによるプラークコントロール

歯磨きをしたからといってプラークコントロールができているとは限りません。
と言うのも、多くのプラークを効率良く除去できなければ、それはプラークコントロールにならないからです。
プラークコントロールと呼べる歯磨きをするからには、精密な歯磨きをしなければなりません。

そうなると問題になるのは、どうすれば精密な歯磨きをできるのかということです。
そこで、そのために効果的な3つの方法を紹介します。
以下の3つの方法を実践すれば、毎日の歯磨きの効果が確実かつ格段に高まります。

デンタルフロスを使う

ブラッシングだけの歯磨きでは、プラークの除去率は6割程度とされています。
しかし、デンタルフロスを使えばプラークの除去率がさらに2割高まります。
これは歯と歯の隙間など、歯ブラシが届かない箇所も綺麗にできるからです。

<ポイント 歯間ブラシではダメなの?>
デンタルフロスではなく歯間ブラシを使っても問題ありません。
最も、デンタルフロスと歯間ブラシは用途が異なり、歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨くためのものです。
また、デンタルフロスは虫歯予防、歯間ブラシは歯周病予防に効果的とされています。

ブラッシング指導を受ける

歯科医院の定期検診、もしくは予防歯科ではブラッシング指導を行っています。
その人の歯並びに合った、効率の良い精密な歯磨きの仕方を指導します。
指導による歯の磨き方を実践することで、毎日の歯磨きの精度が高まります。

<ポイント インターネットの動画で覚えても良いの?>
インターネットでも正しい歯の磨き方の動画があるかもしれませんが、あくまでそれは一例です。
と言うのも、歯並びは人それぞれ異なりますし、自分の歯並びに合った磨き方を覚えることが必要です。
このため実際に歯科医に歯並びを診てもらい、その上でブラッシング指導を受けてください。

プラークテスターを使用する

プラークテスターはプラークを染め出し、目で見える状態にすることができます。
このため、使用することで磨き残しが目で確認でき、確実に全てのプラークを除去できます。
プラークテスターはプラークチェッカーとも呼ばれ、ドラッグストアやインターネットで購入できます。

<ポイント 1度使えば良いの?>
プラークテスターは、何日か連続して使用するとより効果的です。
連続して使用すれば染色される箇所がパターンとして分かるため、
それによって自分の歯磨きの弱点…つまり磨き残しやすい箇所を把握できるからです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、プラークコントロールの説明についてまとめます。

1. プラークとは :細菌の棲み処で、歯の表面に付着している透明でヌルヌルした物質
2. プラークコントロールとは :効率良くプラークを除去すること
3. 歯磨きによるプラークコントロール :デンタルフロスの使用、ブラッシング指導を受けるなどが必要

これら3つのことから、プラークコントロールの説明について分かります。
プラークコントロールは歯周病治療において必須ですが、そもそも普段から実践することが大切です。
普段からプラークコントロールができていれば虫歯や歯周病を予防しやすくなります。
また、毎日プラークコントロールができていることでプラークコントロール自体が容易になり、
口の中を常にプラークの少ない清潔な状態に保つことができるのです。

セラミックにも種類があると聞いたのですが、どのような種類を知っておけばいいですか? [2018年07月15日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「セラミックの種類について」です。
セラミックにはいくつか種類があり、患者さんは好きな種類のセラミックを選択できます。

また、取り扱っているセラミックの種類は歯科医院ごとで異なります。
このため、患者さんもセラミックの種類を把握しておくと自分に合ったものを探しやすくなるため、
ここではセラミックの種類について説明していきます。

オールセラミック

100%セラミックでできており、セラミックの中で最も美しいタイプです。
セラミックならではの白さはもちろん、天然の歯に近い光沢もあるため、
詰め物や被せ物として使用した時に人工の歯と見間違えるほどの美しさを持っています。

さらに機能性も高く、年数経過による変色も起こらないため美しさをずっと維持できます。
このように審美性においても機能性においてもセラミックの中で最上位に位置しますが、
その分費用が高いのが欠点のため、審美性や機能性にとことんこだわりたい方向けのタイプです。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドの名が示すとおり別の材質も混ざっており、セラミックとレジンが混ざったタイプです。
レジンが混ざっているためセラミックでありながら柔軟性があり、
そのため隣接する歯を傷つける心配がないのがメリットです。

また、オールセラミックをはじめとした他の種類のセラミックよりも安いため、
お手軽なセラミックとして位置づけられています。
ただし費用が安い分、審美性はオールセラミックに劣りますし、年数経過による変色も起こります。

メタルボンド

メタルの名から想像できるとおり、一部金属を使用したセラミックです。
外見はセラミックで覆われているものの、見えない箇所には金属を使用しています。
このため年数経過によって劣化が起こるとセラミックが剥がれ、金属が露出してしまうことがあります。

さらに金属を使用している点から、セラミックでありながら金属アレルギーの対象にもなります。
これらの点だけに注目すると欠点が多い印象の強いメタルボンドですが、
長所は金属を使用しているため耐久性に優れていることで、そのため奥歯に使用する際におすすめです。

ジルコニアセラミック

人工ダイヤモンドを使用したタイプで、メタルボンドの上位に位置するタイプです。
見た目はメタルボンドより美しく、さらに金属を使用していないため金属アレルギーの心配もありません。
そして耐久性が高いため、メタルボンド同様奥歯に使用する際におすすめです。

光沢の差を除けばオールセラミックに匹敵するほど美しいため、
耐久性と審美性の高さを求めるならオールセラミックよりもジルコニアセラミックの方が良いでしょう。
ただしジルコニアセラミックは新しいタイプのため、取り扱っている歯科医院がまだ少ないのが欠点です。

健康保険適用のハイブリッドセラミック

例外として、健康保険適用のハイブリッドセラミックも存在します。
本来セラミックは健康保険が適用されないものの、
ハイブリッドセラミックに限って国が定めた基準を満たす場合のみ健康保険が適用されます。

ただしその基準は厳しく、治療の対象になる歯の箇所が限定されています。
さらに詰め物の場合は健康保険が適用されないですし、歯科医院の設備も基準に含まれています。
また、このハイブリッドセラミックは従来のハイブリッドセラミックとは別物で、審美性や機能性で劣ります。

セラミックのメリット

セラミックの種類は上記のとおりですが、そもそもセラミックにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
そこで、全ての種類のセラミックに共通する…言わばセラミックのメリットを説明します。

・審美性が高い
見た目の美しさがセラミックの最大のメリットです。
ハイブリッドセラミックは審美性で劣りますが、それでも銀歯よりは遥かに高い審美性を誇ります。

・二次虫歯を予防できる
セラミックは銀歯と違ってプラークが付着しにくい材質です。
さらに歯ともピッタリ接着するため、虫歯の再発を予防しやすいのです。

・寿命が長い
セラミックも人工物ですから永久に使用することはできません。
しかし寿命は銀歯に比べて長く、ケア次第で10年以上使用できます。

・金属アレルギーが起こらない
セラミックは陶器ですから金属アレルギーの対象外です。
ただしメタルボンドは例外で、これについては一部金属を使用しているため金属アレルギーの対象です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、セラミックの種類についてまとめます。

1. オールセラミック :セラミックの中で最も美しく、全てのセラミックの中で最上位のタイプ
2. ハイブリッドセラミック :レジンが混ざっているため費用が安く、お手軽なタイプのセラミック
3. メタルボンド :金属を使用しているため耐久性の高いタイプ
4. ジルコニアセラミック :メタルボンド同様に耐久性が高く、メタルボンドよりも美しい
5. 健康保険適用のハイブリッドセラミック :従来のハイブリッドセラミックとは別物
6. セラミックのメリット :審美性が高い、二次虫歯を予防できる、寿命が長い、金属アレルギーが起こらない

これら6つのことから、セラミックの種類について分かります。
セラミックは現状、オールセラミックとハイブリッドセラミック、
さらにメタルボンドとジルコニアセラミックの4種類が存在します。
また、正確には健康保険適用のハイブリッドセラミックは従来のハイブリッドセラミックとは別物です。

セラミック治療に健康保険は適用されますか? [2018年07月01日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「セラミック治療と健康保険適用の有無」です。
詰め物や被せ物は虫歯の治療跡を覆って保護するためのものですから、身体の健康のために必要です。

と言うことは、詰め物や被せ物として使用するセラミックには健康保険が適用されるイメージがありますが、
実際にはセラミック治療には基本的に健康保険が適用されません。これについて疑問に思う方も多いため、
今回はセラミック治療と健康保険適用をテーマにしたお話をしていきます。

健康保険適用の基準

健康保険は歯科治療の全てに適用されるわけではなく、国が定めた基準を満たす治療のみ適用されます。
その基準を、多くの人は「身体の健康目的のために必要な治療」と認識しており、
だからこそ完全な審美目的であるホワイトニングに健康保険が適用されないのは納得だと思います。

しかし、正確な基準は「身体の健康目的のために必要な最低限の治療」であり、
「最低限」というワードが理由でセラミック治療に健康保険が適用されないのです。
セラミックは詰め物や被せ物として使用するため、セラミック治療は確かに健康目的の治療です。

しかし最低限とは言えず、なぜなら審美性の高さなどの付加価値があるからです。
つまりセラミック治療に健康保険が適用されないのは、
健康保険適用の基準となる「健康目的のために必要な最低限の治療」の「最低限」を満たしていないからです。

セラミックに健康保険が適用されるケース

冒頭で「セラミックは基本的に健康保険が適用されない」とお伝えしましたが、
「基本的に」とつけたのは例外…つまり、健康保険が適用されるケースがあるからです。
これは平成26年の4月以降、セラミック治療における健康保険適用の基準が改定されたためです。

とは言え、無条件で健康保険が適用されるわけではなく、いくつかの基準を満たした場合に限られます。
そしてその基準は厳しくなっているため、健康保険が適用されるのは例外のケースと捉えた方が良いでしょう。
ちなみに、健康保険適用のために定められた基準を簡単にまとめると以下のようになります。

・対象となる歯は「第一小臼歯」、「第二小臼歯」、「第一大臼歯」、「第二大臼歯」に限定
※「第一大臼歯」と「第二大臼歯」は金属アレルギーの方のみ(医療機関での診断が必要)

・セラミックの種類はハイブリッドセラミックに限定
※従来のハイブリッドセラミックとは別物で、審美性や耐久性が劣る

・被せ物に限定
※詰め物の場合は健康保険が適用されない

・厚生労働省が定めた歯科用CAD/CAM装置で製作する
※歯科技工士が手作業で製作したものは対象外

…専門用語もあるため分かりづらいかもしれませんが、
簡単に言うと「治療対象となる歯の歯所」と「歯科医院の設備」が基準のポイントになっています。
つまり、どの歯でもどの歯科医院でも健康保険が適用されるというわけではないのです。

このため、現状では気軽に健康保険適用でセラミック治療を行えるとは言えません。
最も、セラミック治療における健康保険適用の基準は徐々に緩和されつつあり、
ここ最近ではおよそ2年ごとに改定されているため、今後はこの基準がさらに変更となる可能性はあります。

セラミックの種類

現状セラミックには以下の4つの種類があります。その中にはハイブリッドセラミックもありますが、
上記でお伝えしたとおり健康保険適用のハイブリッドセラミックは従来のハイブリッドセラミックとは別物です。
以下の4種類を希望する場合は、例外なく健康保険は適用されません。

オールセラミック

セラミックの中で最も美しく、審美性と機能性において最上位に位置するタイプです。
年数経過による変色も起こらないため、使用している間はずっと美しさを維持できます。
また、100%セラミックであることから金属アレルギーも起こりません。

ハイブリッドセラミック

セラミックとレジンが混ざったタイプで、レジンが混ざっていることが長所にも短所にもなっています。
長所はオールセラミックに比べて費用が安く、レジンの柔軟性によって隣接する歯を傷つけないことです。
一方短所はレジンの影響で年数経過による変色が起こることで、審美性に強くこだわる方には不向きです。

メタルボンド

セラミックは陶器ですから耐久性を心配する声もあり、あまり強い力で噛むと欠けることがあります。
メタルボンドは外見がセラミックでも中身は金属のため、セラミックでありながら高い耐久性を持っています。
ただし金属を使用している点から、金属アレルギーの対象になります。

ジルコニアセラミック

メタルボンド同様、高い耐久性を持っているため奥歯に最適なセラミックです。
さらにメタルボンドよりも美しく、金属アレルギーの心配もありません。
ただしジルコニアセラミックは比較的新しいタイプのため、取り扱っている歯科医院はまだ少なめです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、セラミック治療と健康保険適用の有無についてまとめます。

1. 健康保険適用の基準 :身体の健康目的のために必要な最低限の治療
2. セラミックに健康保険が適用されるケース :ハイブリッドセラミックは健康保険が適用されるケースがある
3. セラミックの種類 :オールセラミック、ハイブリッドセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミック

これら3つのことから、セラミック治療と健康保険適用の有無について分かります。
セラミックはハイブリッドセラミックのみ、一定の基準を満たした場合は健康保険が適用されます。
ただし対象となる歯と歯科医院の設備が限定されており、常に適応できるほどの手軽さはありません。

このため、「基本的に健康保険は適用されないが例外がある」と捉えるくらいが良いでしょう。
また、健康保険適用となるハイブリッドセラミックは従来のハイブリッドセラミックとは別物ですし、
その他の種類のハイブリッドセラミックにおいては例外なく健康保険は適用されません。

歯周病と言われましたが痛みはありません。この診断は正しいのでしょうか? [2018年06月18日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病の自覚症状」です。
歯周病と診断された場合、その診断に疑問を感じる人がたくさんいます。

そしてその理由は「痛みがないから」というものです。確かに虫歯の場合は歯が痛むため、
虫歯と診断されると納得もしますし、患者さん自身ある程度その診断は予想できるでしょう。
しかし歯周病は痛みなくても診断されることがあるため、それに納得できない人が多いのです。

痛みを感じない歯周病

痛みというのは1つの自覚症状で、私達は痛みを感じるからこそ身体の異常に気づきます。
例えばお腹が痛ければお腹の調子が悪いと気づきますし、胃が痛ければ胃の調子が悪いと気づきます。
つまり、痛みという自覚症状は自分が病気であることに気づくための大切なサインです。

しかし、歯周病の場合はこの痛みという自覚症状がほとんどないのです。
痛みがないからこそ自分が歯周病だと気づかず、そのため歯周病と診断されても納得できないのです。
最も、歯周病には痛みとは違った別の自覚症状が存在するため、以下の項目で紹介していきます。

歯周病の自覚症状

歯周病になると以下のような自覚症状があります。また、進行することで起こる自覚症状もあります。

歯肉が腫れる、変色する

歯周病になると歯肉が炎症を起こすため、その影響で歯肉が腫れたり変色したりします。
目で見て確認できますし、触った感触も本来の歯肉のような張りがなくプヨプヨしています。

歯肉から出血する

歯周病になって歯肉が炎症を起こすと、歯周病菌と戦うために血液が歯肉に集結します。
これによって歯肉から出血しやすくなり、歯磨きや食事の時の刺激で出血することが多くなります。

口臭がする

歯周病になると口の中で歯周病菌が繁殖し、言わば細菌だらけの状態になります。
さらに歯肉から出た膿みや出血の混ざり、キツイ口臭がするようになります。

以前よりも歯が長くなって見える

歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされ、その影響で歯肉が退縮を起こして下がります。
これによって歯の根元が露出してしまい、一見歯が長くなったように見えるのです。

冷たいものや熱いものがしみる

歯周病が進行して、歯肉の退縮によって歯の根元が露出した場合に起こる症状です。
歯の根元はエナメル質に覆われていないため、冷たいものや熱いものを飲食すると刺激となってしみます。

歯が動く

歯周病が進行して歯槽骨が溶かされ、歯が支えを失いかけている状態です。
ここまでになると歯周病は相当進行しており、そのままにしておくと歯が抜け落ちてしまいます。

定期検診のすすめ

歯科医院で歯周病と診断されて納得できない場合、むしろそう診断されたことは幸運かもしれません。
と言うのも、目立った自覚症状のない歯周病は自分で気づくのが困難だからです。
歯周病に気づけなければ歯科医院に行くこともなく、そうすれば歯周病はどんどん進行してしまいます。

そして気づいた時には歯がグラつくほど進行している…そんなケースが珍しくないのです。
現に歯周病は「静かなる病気」とも表現され、気づかない間に発症して進行していく病気です。
虫歯治療の際などにたまたま歯周病が発覚したなら、それは発覚できたことを幸運と捉えるべきでしょう。

しかし、そんな偶然は何度も起こりません。
そこで1つ提案すると、歯周病の予防や早期発見のために歯科医院で定期検診を受けましょう。
そうすれば予防効果が高まりますし、仮に歯周病になっても早期発見と早期治療が可能です。

歯周病の予防方法

歯周病は虫歯のような痛みはないため、病気としては怖くないと考える人がいます。
しかしそれは間違いで、歯周病は進行すると最終的に歯を失ってしまう怖い病気です。
また、痛みを感じないからこそ歯周病に気づきにくく、その点では虫歯よりも進行してしまい特徴があります。
そこで、歯周病を予防するための3つの方法を紹介します。

精度の高い歯磨きをする

歯周病予防の基本は歯磨きですが、効率良くプラークを除去する精度の高い歯磨きが必要です。
このためブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用した歯磨きを行いましょう。

生活習慣を改善する

疲労やストレスは身体の免疫力を低下させ、歯周病菌に感染するリスクを高めてしまいます。
そこで生活習慣を改善し、身体の免疫力を高める意識を持ちましょう。

定期検診を受ける

上記でも紹介しましたが、歯科医院の定期検診は歯周病予防に大変効果的です。
歯のクリーニングなどで予防効果が高まり、さらに歯周病の早期発見と早期治療も可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の自覚症状についてまとめます。

1. 痛みを感じない歯周病 :歯周病には虫歯の痛みのような自覚症状がない
2. 歯周病の自覚症状 :歯肉の腫れや変色、歯肉から出血する、口臭がする、歯が長くなって見えるなど
3. 定期検診のすすめ :目立った自覚症状がないため、歯周病を早期発見するには定期検診が欠かせない
4. 歯周病の予防方法 :精度の高い歯磨きをする、生活習慣を改善する、定期検診を受ける

これら4つのことから、歯周病の自覚症状について分かります。
「歯周病には虫歯の痛みのような自覚症状がない」…この事実から言えるのは、
歯の痛みの有無は歯周病の有無を知るための参考にならないということです。
つまり、歯が痛くないとしても歯周病になっている可能性があるわけで、
その意味では「歯が痛くない=口の中が健康」とは限らないのです。

インプラントにしたいのですが痛みが気になります [2018年05月14日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「インプラントをすることでの痛み」です。
インプラントは失った歯を取り戻せると表現される魅力的な治療方法です。

ただしその分治療内容も大掛かりなものになり、治療の過程で手術も必要です。
そうなると、患者さんとして気になるのは痛みの有無だと思います。
そこで、ここではインプラントをすることでの痛みについてお答えしていきます。

治療する時は痛むのか

インプラントでは治療の際、歯肉を切開して顎の骨に穴をあける手術を行います。
この時の痛みですが、実際にはほとんど痛みはありません。
もちろんそのまま治療すれば痛むでしょうが、手術では麻酔を使用しますからね。

これはインプラントに限らず内科や外科も含めた手術全般に言えることですが、
麻酔を使用するので手術時の痛みはほとんど感じないのです。
ただし手術をするという点から、痛みよりも怖さという感情の方が強いのではないでしょうか。

最も、インプラントではそんな怖さへの対処もなされており、
静脈内鎮静法によって落ち着いた鎮静状態で治療を受けることもできます。
静脈内鎮静法とは気分をリラックスできる薬を点滴で投与する方法で、恐怖心をやわらげる効果があります。

<実績と経験に長けた歯科医の元で治療を受けるべき>
手術で痛みを感じないのは麻酔が効いているからで、逆に言えば麻酔を使用しなければ当然痛みを感じます。
そこで大切なのは、インプラントは実績と経験に長けた歯科医の元で治療を受けるべきだということです。
不慣れな歯科医が治療を行えば手術時間が長くなり、手術中に麻酔が切れてしまう可能性があるからです。

治療後の痛みについて

単に痛みの度合いを比較するなら、治療中よりもむしろ治療後の方が痛みを感じます。
と言うのも、その頃になると麻酔が切れてしまうからです。
そのため、インプラントの手術を行った後は歯科医院で痛み止めが処方されます。

また、あらかじめ痛み止めを飲んでおくことで麻酔が切れた後の痛みに対処する方法もあります。
最も、治療後の痛みは長期間続くわけではなく、ほとんどの患者さんが痛みは1日で治まったと答えます。
ちなみに、治療後の痛みの類としては抜歯した時の痛みに近いと言われています。

治療当日の帰宅後の注意点

インプラントでは入院する必要はないため、特に問題なければ当日の帰宅が可能です。
ただし治療直後は普段と同じ生活をすると痛みを感じてしまうことがあるため、
いくつかの点に注意しなければなりません。これについては担当の歯科医からも説明があるでしょう。

・血行が良くなる行為は控える
具体的には入浴、飲酒、運動などです。血行が良くなると血流によって神経が圧迫され、
患部が痛んだり炎症が起きたりする可能性があります。

・喫煙は厳禁
タバコは刺激物ですから患部に刺激を与えて痛みを引き起こします。
それどころかインプラントに支障が出る恐れもあり、治療の失敗のリスクを高めてしまいます。

・強めのうがいをしない
うがいをする場合は、水を含んだ後そっと吐き出すくらいの意識で行いましょう。
強いうがいは手術による傷口を悪化させ、出血や痛みを引き起こす原因になります。

・刺激物や固いものを食べない
香辛料などの刺激物が多く入った食べ物は患部への刺激になりますし、
固いものを食べることで傷口を悪化させてしまう可能性があります。

フラップレス手術について

インプラントの手術がどうしても怖いというのであれば、フラップレス手術を行う方法もあります。
フラップレス手術は切らない手術とも呼ばれており、
全く傷つかないとは言えないものの、従来の手術に比べて傷が小さく治療時間も短くてすみます。

ただしフラップレス手術は高い技術力を求められる治療方法ですから、
対応できる歯科医院が少ないという欠点があります。
このため、フラップレス手術を希望する場合は歯科医院選びがより重要になるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントすることでの痛みについてまとめます。

1. 治療する時は痛むのか :麻酔を使用するのでほとんど痛みはない。痛みよりも怖さの感情の方が強い
2. 治療後の痛みについて :麻酔が切れるため、むしろ治療時よりも治療後の方が痛む。痛み止めで対処する
3. 治療当日の帰宅後の注意点 :血行が良くなる行為は控える、喫煙は厳禁、強めのうがいをしないなど
4. フラップレス手術について :歯肉を切開する範囲を大幅に小さくできる治療方法

これら4つのことから、インプラントすることでの痛みについて分かります。
痛みがゼロとまでは言えませんが、インプラントすることでの痛みはほとんどありません。
こんなことを言うと半信半疑に思えるかもしれませんが、手術の経験がある人なら良く分かると思います。

手術の場合は麻酔を使用するのでほとんど痛みがなく、むしろ手術前の恐怖心の方が辛いですよね。
インプラントもこれと全く同じで、実際の治療時は麻酔を使用するので痛みはほとんどなく、
治療後も痛み止めで対処できるので痛みについては特に心配する必要はありません。

インプラントは健康保険が適用されますか? [2018年05月01日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「インプラントと健康保険の適用について」です。
歯科医院に限らず、病院での治療費は健康保険が適用されるイメージがあると思います。

しかし実際には健康保険が適用されないケースもあり、それは決して稀なことではありません。
例えば、豊胸手術や脂肪吸引といった美容整形の治療費は健康保険が適用されないですからね。
ではインプラントはどうなのか?…ここではインプラントと健康保険をテーマにしたお話をしていきます。

基本的に健康保険は適用されない

結論から言うと、インプラントでは基本的に健康保険は適用されません。
では、歯科治療の1つであるインプラントになぜ健康保険が適用されないのでしょうか。
その答えは、健康保険適用の基準にあります。

「健康目的とした必要最低限の治療」…これが健康保険適用の基準です。
ここでインプラントを照らし合わせてみると、
インプラントは歯を失った時に行う治療ですから、「健康目的」の基準は満たしています。

しかし、その後の「必要最低限」の基準は満たしていません。審美性が高い、咬合力も高い、安定している、
インプラントの特徴であるこれらのことは、いずれも必要最低限以上の特徴を持っていますね。
つまりインプラントは健康保険適用の基準を一部満たしておらず、そのため健康保険が適用されないのです。

健康保険が適用されるケース

「インプラントでは基本的に健康保険が適用されない」…「基本的に」と表現したのは理由があり、
一部例外として健康保険が適用されるケースがあるからです。
最も、これは平成24年の4月以降から改定されたことなので、比較的新しい決まりと言えるでしょう。

ただしインプラントで健康保険を適用するには国が定めた基準を満たす必要があり、
その基準は正直言ってかなり厳しくなっています。
また、基準は患者さん側だけでなく歯科医院側にも定められたものがあります。

<患者さん側に定められている基準>
・医科の保険医療機関の主治医によって生まれつきの病気と診断され、
なおかつ顎骨の1/3以上が連続して欠損している
・腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気、もしくは事故によって顎骨の1/3以上を失っている
・顎の骨の形成不全である

…これらの場合はインプラントが必要最低限の治療と見なされるため、健康保険が適用されます。
ただし一定以上の割合の顎骨の欠損が基準になっており、その理由も事故か病気によるものに限られます。
少なくとも、審美目的の場合100%健康保険は適用されません。

<歯科医院側に定められている基準>
・病院(入院用のベッドは20床以上ある施設)になる歯科、もしくは口腔外科である
・下記のいずれかに該当する歯科医師が、常勤で2名以上配置されている
「その病院の歯科、または口腔外科で5年以上の治療経験を持つ」
「インプラント義歯の治療経験を3年以上持つ」
・当直体制、国が定めている医療機器、医薬品などの管理が整備されている

…注目すべき点は1つ目の項目です。「入院用のベッドが20床以上」という点から、
規模が大きい歯科でなければならないことが分かります。
つまり、街の歯科医院くらいの規模では確実にこの基準は満たせないでしょう。

健康保険が適用されるのは治療費に限られる

例えインプラントで健康保険が適用されるケースでもその対象となるのは治療費のみになります。
つまりインプラントで使用する人工物の材料費、治療後に行うメンテナンスの費用、

入院になった場合(例外的な問題がなければ入院は必要ない)の入院費、これらは対象外ということです。
このため、健康保険が適用されたとしてもインプラントの費用は他の歯科治療に比べて高額です。

<医療費控除を利用しよう>
医療費控除とは、年間の医療費が10万円を超えた場合に納めた税金の一部が返還される制度です。
インプラントは健康保険適用の有無に関係なく、この医療費控除の対象になります。
治療時に支払った領収書やレシートの類は必ず保管しておきましょう。

間違った情報に注意

インプラントと健康保険についてインターネットで調べると、
歯科医院のWEBサイトによっては「例外なく健康保険は適用されない」と断言しています。
このように間違った情報を掲載している理由は2つ考えられます。

・基準の問題で当院では健康保険が適用されないという意味の掲載
・その掲載文が平成24年4月以前に作成されたものである

…仮にインプラントで健康保険が適用される基準を満たしている場合、
それを知らずに治療してしまえば治療費に大きな差が出てしまうでしょう。
このため、間違った情報には注意してください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントと健康保険の適用についてまとめます。

1. 基本的に健康保険は適用されない :健康保険適用の基準を一部満たしていないため
2. 健康保険が適用されるケース :患者さんと歯科医院が一定の基準を満たしている場合(本文参照)
3. 健康保険が適用されるのは治療費に限られる :材料費、メンテナンスの費用、入院費などは対象外
4. 間違った情報に注意 :平成24年4月以前の情報だと、健康保険は適用されないと断言されている

これら4つのことから、インプラントと健康保険の適用について分かります。
インプラントで健康保険が適用されるケースはその基準が厳しく、
その上基準を満たしているかどうかを自分で判断するのも困難です。
このため、病気や事故を理由にインプラントしたいと考えている人は、
その状態で健康保険が適用されるかどうかを歯科医院に相談してみましょう。

なぜ歯周病になると歯を失うことになるのか [2018年04月18日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病で歯を失うのはなぜか」です。
「歯の周りの病気」と書く歯周病は、文字どおり歯ではなく歯肉の病気です。

このため一見歯とは無関係に思えますが、歯周病が進行すれば歯を失うことになります。
歯肉の病気である歯周病でなぜ歯を失うのか?…それを疑問に思う人も多いでしょう。
そこで、ここでは歯周病で歯を失う理由について説明していきます。

歯周病で歯を失う理由

歯周病で歯を失う理由を説明するには、歯周病の症状を知ってもらうのが早いです。
歯周病になると歯肉が炎症を起こして腫れや変色が見られるようになりますが、
歯周病の症状はそれだけではなく、進行することで歯槽骨が溶かされてしまうのです。

この歯槽骨というのは上下の顎骨で、歯を支える役割を持っています。
つまり歯槽骨が溶かされてしまうことは、イコール歯が支えを失ってしまうことになるのです。
支えを失った歯は不安定になり、例えるなら土台を失った建物に等しい状態です。

当然グラつくようになりますが、治療しない限り歯周病は進行してどんどん歯槽骨を溶かしてしまいます。
やがて歯は支えを完全に失うことになり、最終的に抜け落ちてしまうのです。
これで歯を失うことになりますし、末期段階まで進行すると治療したとしても抜歯が必要で歯を失います。

歯周病で歯を失わないためには

「歯周病になる=絶対に歯を失う」というわけではありません。
歯周病で歯を失うのは歯槽骨が溶かされることが理由ですし、
進行前の初期段階の歯周病では歯槽骨が溶かされることはありません。

このため、初期段階で歯周病を発見すれば例え歯周病になっても歯を失うことはないのです。
また初期段階の歯周病は治療も容易なため、治療方法も辛いものではありません。
歯科医院でプラークや歯石を除去して、自身でプラークコントロールを行う…これで歯周病が治ります。

つまり早期発見と早期治療ができれば、歯周病で歯を失う事態にはならないのです。
しかし実際には歯周病で歯を失う人が多く、事実歯周病は日本人が歯を失う要因の1位になっています。
ではなぜ歯周病の早期発見と早期治療は難しいのでしょうか。

歯周病の早期発見と早期治療が難しい理由

歯周病の早期発見と早期治療が難しいのは、歯周病には自覚症状がないからです。
目立った自覚症状がないため自分が歯周病だと気づかない、
気づかないために歯科医院に行こうと思わない…その結果末期段階まで進行を許してしまうのです。

ちなみに虫歯も最終的には歯を失ってしまう病気です。
しかし虫歯で歯を失う人が少ないのは、そこまで進行するまでに虫歯に気づくからです。
何しろ虫歯には痛みという分かりやすい自覚症状があるため、その時点で虫歯に気づけますからね。

自覚症状というのは自分が病気であることに気づくきっかけとなる大切な症状です。
歯が痛いから虫歯だと気づく…だからこそ意図的に放置しない限り虫歯で歯を失う人はいません。
一方歯周病には虫歯の痛みのような自覚症状がなく、実際に「静かなる病気」とも表現されています。

歯周病の自覚症状

虫歯の痛みのような分かりやすいものはないですが、歯周病も自覚症状が全くないわけではありません。
以下は全て歯周病になることで起こる自覚症状です。

・口臭がする
歯周病になると歯肉から膿みが出ますし出血もします。
さらに口の中で細菌が繁殖するため、キツい口臭がするようになります。

・歯肉が赤く腫れる
歯周病になると歯肉が炎色を起こしますし、歯周病菌と戦うために血液が集中します。
その結果歯肉が赤く腫れ、触るとプヨプヨとした感触があります。

・歯肉から出血しやすくなる
炎症を起こした歯肉はちょっとした刺激で出血するようになります。
ちなみに、特にそれが起こりやすいのは食事している時や歯磨きしている時です。

・歯が長くなって見える
歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされ、その影響で歯肉が退縮して下がります。
歯肉が下がることで歯の根元が露出してしまい、一見歯が長くなったように見えます。

・冷たいものや熱いものがしみる
虫歯の時に起こる自覚症状ですが、歯周病でも冷たいものや熱いものがしみることがあります。
歯周病が進行して露出した歯の根元はエナメル質に覆われておらず、冷たさや熱さでしみてしまうのです。

敢えて項目に入れなかったですが、最も分かりやすい自覚症状として「歯がグラつく」があります。
しかし歯がグラつくのは歯周病が相当進行している場合ですから、
その自覚症状で歯周病に気づくのでは遅すぎます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病で歯を失うのはなぜかについてまとめます。

1. 歯周病で歯を失う理由 :歯を支える歯槽骨が溶かされ、支えを失った歯が抜け落ちてしまうため
2. 歯周病で歯を失わないためには :初期段階で歯周病を発見して治療する
3. 歯周病の早期発見と早期治療が難しい理由 :痛みのような分かりやすい自覚症状がないため
4. 歯周病の自覚症状 :口臭がする、歯肉が赤く腫れる、歯肉から出血しやすくなるなど

これら4つのことから、歯周病で歯を失うのはなぜかについてまとめます。
歯周病はほとんど痛みを感じないため、虫歯に比べて軽い病気だと考える人もいるでしょう。
しかしそれは間違いで、歯周病は進行すると最終的に歯を失う怖い病気です。
また進行した場合は治療も大掛かりなものになり、状態によっては歯肉を切開する手術が必要です。

歯周病が進行すると歯が長くなるのは本当ですか? [2018年04月01日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「歯周病になると歯が長くなるのか」です。
鏡を見たら歯が長くなっていた…その場合、歯科医院に行くと歯周病と診断される可能性が高いでしょう。

つまり今回のテーマに回答すると、歯周病になると歯が長くなるというのは本当です。
最も、正確には歯が長くなったわけではなく歯が長くなって見えるのです。
では、歯肉の病気である歯周病なのになぜ歯が長く見えるようになるのでしょうか。

歯周病の症状

歯周病になると歯が見える理由を理解するためには、まず歯周病の症状を知っておかなければなりません。
さて、歯周病になると歯肉が炎症を起こし、その影響で歯肉が腫れて変色します。
そして歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされていきます。

歯槽骨とは上下の顎骨で、この歯槽骨は歯を支える役割を担っています。
つまり歯槽骨が溶かされるということは、歯が支えを失ってしまうということになるのです。
支えを失った歯はグラついて不安定になり、一定量以上の歯槽骨が溶かされることで抜け落ちてしまいます。

これは歯周病の症状であり、歯周病で歯を失う原因でもあります。
今回のテーマである「歯周病になると歯が長く見える理由」ですが、
これは歯周病になると歯槽骨が溶かされる症状が関係してきます。

歯が長く見える理由

歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされていきますが、
歯槽骨が溶かされることで歯肉が退縮します。そして歯肉が退縮することで歯肉が下がってくるのです。
歯肉が下がることで歯の根元が見えるようになり、その影響で歯が長く見えるというわけです。

イメージしにくい人は、長袖のセーターから指だけ出して状態を想像してください。
この場合、「長袖のセーター=歯肉」で「指=歯」になります。
さて、長袖のセーターから指が出ているものの、本来その奥には手首や腕がありますよね。

しかしそれらは長袖のセーターに隠れているため見えないわけで、袖をめくれば手首や腕が露出します。
これと同じです。歯肉に隠れた歯の根が歯肉の退縮によって露出しているのです。
そして本来見えない歯の根が見えることで、一見歯が長く見えるのです。

歯肉の退縮で起こる知覚過敏

本来歯は刺激に対して非常に敏感なのですが、普段刺激を感じないのはエナメル質の効果です。
エナメル質とは歯の表面を覆っている組織で、言わば歯を刺激から保護する存在です。
このエナメル質に何らかの理由で傷や破損があった場合、奥にある象牙質が刺激を感じてしまうのです。

これが知覚過敏と呼ばれる症状で、一瞬歯がピリッとしみるような感覚があります。
そして、歯肉が退縮して下がることでこうした知覚過敏が起きてしまうのです。
なぜなら、歯肉の退縮によって露出した歯の根はエナメル質に覆われていないからです。

こうなると冷たいものや熱いものの飲食でも歯がしみるようになりますし、
歯磨きなどのちょっとした刺激でも痛みを感じるようになってしまいます。
と言うことは、冷たいものや熱いものの飲食で歯がしみると歯周病の可能性があるということになります。

歯周病以外の原因で歯肉が退縮するケース

歯肉が退縮して歯が長く見える場合、可能性として最も高いのは歯周病です。
しかし必ずしもそうとは限らず、例えば以下のことが原因の可能性もあります。

・歯磨きの仕方に問題がある
歯磨きには正しい磨き方があり、間違った磨き方をすると歯を綺麗にするどころか逆に傷つけてしまいます。
例えばゴシゴシと強く磨きすぎた場合、歯肉が傷ついて退縮することがあります。
ちなみに、正しい歯の磨き方は歯科医院の定期検診や予防歯科で指導を受けられます。

・矯正治療の影響
矯正治療をしている人は、それが原因で歯肉が退縮することがあります。
最も多いケースとしては、必要な抜歯をせずに無理に矯正治療した場合です。
無理に歯並びを整えようとすることで歯槽骨から歯が飛び出し、その影響で歯肉が下がってしまいます。

…他にも、食いしばりや歯ぎしりによる歯への負担で歯槽骨が溶けて歯肉が下がるケースなどがあります。
いずれにしても原因を特定するには歯科医院での診察が必要です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病になると歯が長くなるのかについてまとめます。

1. 歯周病の症状 :歯肉が炎症を起こして腫れてしまい、さらには歯を支える歯槽骨が溶かされる
2. 歯が長く見える理由 :歯槽骨が溶かされると歯肉が退縮し、結果歯肉が下がるので歯が長く見える
3. 歯肉の退縮で起こる知覚過敏 :露出した歯の根元はエナメル質に覆われていない
4. 歯周病以外の原因で歯肉が退縮するケース :歯磨きの仕方に問題がある、矯正治療の影響

これら4つのことから、歯周病になると歯が長くなるのかについて分かります。
実際には歯が長くなるわけではなく、長くなったように見えるのです。
それは歯周病の影響で歯肉が退縮したからで、
歯肉の退縮によって歯肉が下がると歯の根元が露出して歯が長くなったように見えるのです。

保険の入れ歯と自費の入れ歯はどう違いますか? [2018年03月21日]

川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「保険の入れ歯と自費の入れ歯の違い」です。
入れ歯は大きく分けて、健康保険が適用される保険の入れ歯と自費の入れ歯の2つのタイプがあります。

これらを比較した場合、単純に費用だけで判断すれば自費の入れ歯を選ぶメリットはないでしょう。
しかし自費の入れ歯は費用が高い分、保険の入れ歯にはない特徴があります。
そして、ここでお伝えするのは自費の入れ歯が保険の入れ歯に比べてどう違うのかについてです。

歯の部分が違う

保険の入れ歯では、歯の部分に使用するものの種類がある程度限られているため、
患者さんの歯の形や色によっては入れ歯の歯だけバランスが悪くなって目立ちます。

これは保険の入れ歯の場合、歯としての機能性はある程度考慮されているものの、
見た目…つまり審美性においては細かくこだわっていないからです。

一方、自費の入れ歯は歯の部分に使用するものの選択の幅が広く、形や色が豊富に用意されています。
このため、患者さんの歯の形や色に合った自然な見た目を再現できるのです。

ただし、審美性は高くてもあくまで入れ歯であることに変わりはないため、
最先端治療のインプラントのような咬合力までは再現できません。

歯肉の部分が違う

入れ歯は歯だけでなく、歯肉の部分のつくりも重要なポイントです。
保険の入れ歯でもその点はしっかりしており、装着感の良さを再現しています。

さらに汚れにくい特徴もあるため、使用する上で不自由さを感じることはないでしょう。
ただし見た目へのこだわりは薄く、歯肉として使用できる形態に限りがあります。

一方自費の入れ歯は形態にもこだわっており、選択できる種類が豊富に用意されています。
なおかつ保険の入れ歯同様、装着感の良さや汚れにくさにおいても問題ありません。

これらをまとめると、保険の入れ歯の歯肉は機能性が高いものの審美性は低くなっており、
それに対して自保の入れ歯は機能性にも審美性にも優れているのです。

義歯床の部分が違う

保険の入れ歯の義歯床は分厚い仕様になっているため、一見割れにくく頑丈に思えます。
しかしその見解は少し違っており、割れやすいからこそ対処として分厚くなっているのです。

そして分厚い仕様のために熱を加えにくい問題があり、その影響で温度や味覚が感じにくくなっています。
例えば熱いお茶を飲んでも熱さを感じにくいため、飲んだ時に喉や胃に熱さを感じてしまうのです。

一方、自費の入れ歯の義歯床は金属の素材を選択することができ、
そうすれば従来の義歯床に比べて薄く、熱や味覚もしっかり感じられて違和感も少なくなります。

さらに落ちないように固定されていますし、耐久性も充分なレベルを再現しています。
分厚さだけに注目すると保険の入れ歯の方が頑丈そうですが、保険の入れ歯は落下で割れることもあります。

維持装置が違う

保険適用の入れ歯では、維持装置は残っている歯を囲むような形にして固定します。
この仕様が違和感を生む原因にもなっており、会話することで維持装置が見えてしまう問題もあります。

つまり、保険の入れ歯の維持装置は機能性も審美性もそれほど高くないのです。
一方自費の入れ歯の維持装置は仕様上、残っている歯に負担を掛けることがありません。

このため残った歯の寿命を延ばせますし、会話時に維持装置が見えない点で審美性にも優れています。
つまり、自費の入れ歯の維持装置は機能性も審美性も高い特徴があるのです。

ただし、自費の入れ歯でも外しての洗浄はどうしても必要ですから、
いくら入れ歯だと気付かれにくいといっても、一緒に住んでいる家族に対してその効果はありません。

5. 保険の入れ歯と自費の入れ歯のイメージ
保険の入れ歯のイメージを挙げるなら、「マニュアルどおりに仕上げた最低限の入れ歯」です。
この表現だと質が悪く思えるかもしれませんが、健康保険適用の基準は「最低限の治療」になっています。

素材にこだわり、なおかつ時間を掛けて製作すると費用が高くなってしまうため、
その点を考慮するとどうしても最低限の入れ歯になってしまうのです。

一方、自費の入れ歯のイメージを挙げると「オーダーメイドの入れ歯」です。
患者さんの要望に応え、歯や歯肉の状態に合った最良の入れ歯になっています。

このためどうしても費用が高くなってしまいますし、
こだわって製作する分保険の入れ歯に比べて製作期間も長くなってしまうのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いについてまとめます。

1. 歯の部分が違う :保険の入れ歯は種類が少なく、自費の入れ歯は種類が豊富
2. 歯肉の部分が違う :保険の入れ歯は形態が少なく、自費の入れ歯は形態が豊富
3. 義歯床の部分が違う :保険の入れ歯は分厚くて熱を感じにくく、自費の入れ歯は違和感が小さい
4. 維持装置が違う :保険の入れ歯は審美性が低く、自費の入れ歯は目立たないので審美性が高い
5. 保険の入れ歯と自費の入れ歯のイメージ :保険の入れ歯は「最低限」、自費の入れ歯は「オーダーメイド」

これら5つのことから、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いについて分かります。
「入れ歯=保険適用」のイメージがありますが、このように自費の入れ歯も存在します。
そして、自費の入れ歯は審美性や機能性にも長けている特徴を持っています。
「審美性や機能性にこだわりたいけどインプラントするのは抵抗がある」、
そう思う人は選択肢の1つとして自費の入れ歯を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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