川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「虫歯を治療することの必要性」です。
例えば体調を壊した時、自分の判断で病院に行かない人もいます。
確かに、多少の風邪なら自宅で静養していれば治りますし、
大きな病気と違って病院に行かないのも一つの判断でしょう。
では、虫歯の場合はどうでしょうか。虫歯を治さないのも一つの判断として正しいのでしょうか。
風邪で病院に行かない人は、病院に行かなくても治ると考えているからです。
しかし、虫歯の場合は一度でも進行すると自然に治ることはなく、治療しなければ悪化する一方です。
仮に口の中のプラークを全て除去できたとしても、進行した虫歯が治ることはありません。
そのため、虫歯を治さないというのは間違った判断になります。
実際、風邪で病院に行かない人も、病院に行かなければ風邪が絶対に治らないのであれば行くでしょう。
放置するのは自然治癒を見込んでの行動ですが、進行した虫歯においてそれは見込めないのです。
進行した虫歯を治療しなかった場合、虫歯はさらに進行していきます。
そして、進行することで次の症状をもたらします。
虫歯が神経まで進行すると、感じる痛みはより激しくなります。
ズキズキと常に痛むようになり、夜も眠れないほどの痛みが続きます。
虫歯が神経まで進行した場合、神経が細菌に感染してしまうと治療において神経の除去が必要になります。
また、治療しなかった場合も神経が死んでしまい、失った神経は再生することはありません。
進行した虫歯を治療しなかった場合、最終的に歯を失います。
歯周病のように抜けてしまうことはないですが、ボロボロに溶かされて歯としての機能を完全に失います。
中には虫歯治療が怖くて虫歯を治さない人がいますが、それは全くの逆効果です。
治療内容は虫歯の進行度によって変わり、重症化すればそれだけ大きな治療が必要になってしまいます。
虫歯を治療しなければ痛みが増し、さらに神経を失って、最後には歯も失います。
しかし、歯を完全に破壊した後も虫歯の原因菌は生き続けており、今度は血液の中に入り込みます。
血液というのは血管を通じて全身に回っているため、血液に入り込んだ虫歯の原因菌も全身に回ります。
この時、虫歯の原因菌が脳に回ることで脳梗塞を引き起こす危険性がありますし、
心臓に回る心筋梗塞を引き起こす危険性があり、これが虫歯を治さなかった場合の本当の怖さです。
確かに、このような事態が起こる確率は稀ですが、実際に起こって死亡した例も世界で報告されています。
おそらく、ほとんどの人が歯の痛みをきっかけに虫歯を自覚すると思います。
言い換えれば、歯の痛みがなければ虫歯がないと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、以下のケースの虫歯では痛みを感じることがありません。
歯が痛くなくてもこのような虫歯が発症している可能性はゼロではなく、
つまり歯が痛くないことは虫歯がないことの根拠にはならないのです。
上記の解説から、虫歯は必ず治療しなければならないことが分かるでしょう。
もっとも、虫歯は治すことも大切ですが、それ以上に予防することも大切です。
そこで、虫歯を予防するために必要な3つのことを説明します。
虫歯予防の基本は歯磨きですが、歯磨きにおいて大切なのは頻度よりも精度です。
通常の歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってプラークの除去率を高めましょう。
「糖の摂取」「ダラダラ食い」「間食」など、虫歯の要因の多くは食生活に関係しています。
虫歯になるリスクを減らすため、食生活を見直して改善しましょう。
定期検診を受けることで、虫歯が発症してもいち早く発見して治療できます。
また、定期検診の中では「ブラッシング指導」など、虫歯の予防につながる治療を受けることができます。
いかがでしたか?
最後に、虫歯を治療することの必要性についてまとめます。
1. 進行した虫歯は自然に治らない :一度でも虫歯が進行した場合、治療しなければ治すことはできない
2. 進行した虫歯を治療しなかった場合 :痛みが増す、神経を失う、歯を失う、大きな治療が必要になる
3. 虫歯の本当の怖さ :虫歯を放置し続けることで、虫歯の原因菌が血液に入り込む
4. 「痛みがない=虫歯がない」とは限らない :例えば、初期の虫歯では痛みを感じることがない
5. 虫歯を予防する方法 :歯磨きの精度を高める、食生活を見直して改善する、定期検診を受ける
これら5つのことから、虫歯を治療することの必要性について分かります。
厳密にいえば、発症したばかりの初期の虫歯なら再石灰化の促進や適切なプラークコントロールで治ります。
しかし、一度でも進行した虫歯は自然に治ることがなく、
治療しなければ虫歯はどんどん進行していき、深刻な症状を引き起こしてしまいます。