川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「ハイブリッドセラミックの説明」です。セラミックにはいくつか種類がありますが、その中の1つとしてハイブリッドセラミックがあります。
こうしたセラミックの種類を知っておくことはとても大切で、セラミックは種類ごとで異なった特徴を持っていますし、取り扱う種類も歯科医院ごとで異なります。そこで、ここではハイブリッドセラミックを中心としたセラミック全般の説明をしていきます。
ハイブリッドセラミックとはレジンにセラミックの微粒子を練り込んだもので、ハイブリッドの名前が示すとおりレジンとセラミックが混ざったタイプのものです。もっと正確に言えばレジンとセラミックの中間的に性質を持っており、材質的にはレジンに近くなっています。
このため、ハイブリッドセラミックはセラミックとして位置づけていない歯科医もいます。最も、セラミックと別の素材が混ざっていることは例外ではなく、実際に100%セラミックでできているのはオールセラミックのみになっています。
レジンの欠点として強度と耐久性の問題が挙げられますが、その欠点をセラミックで補ったのがハイブリッドセラミックです。また審美性もレジンより高いことから、レジンがより頑丈に、より美しくなったのがハイブリッドセラミックとイメージすると分かりやすいでしょう。
一方で、レジンに近い材質であることから他のセラミックに比べて劣る部分もあります。審美性は他のセラミックの方が美しいですし、強度や耐久性も他のセラミックほど高くありません。最も、その分ハイブリッドセラミックは費用が安いので、お手軽なセラミックとして位置づけられています。
他のセラミックを比較した場合のハイブリッドセラミックのメリットとデメリットは次のようになります。
<メリット>
・費用がやすい
・柔軟性があるので隣接する歯を傷つけにくい
<デメリット>
・審美性が劣る
・年数経過によって変色する
・強度と耐久性が劣る
…セラミックよりもレジンに近い分、ハイブリッドセラミックは他のセラミックに比べて審美性と機能性で劣ります。ただしその分だけ費用が安く、そのお手軽さがハイブリッドセラミックの特徴と言えるでしょう。
ハイブリッドセラミック以外には他に3つのセラミックがあります。
100%セラミックでできており、審美性も機能性も高く、セラミックの最上位に位置するタイプです。他の材質が混ざっていないため表面もツルツルしており、プラークが付着しにくくなっています。メリットで比較すればハイブリッドセラミックよりも遥かに上ですが、その分費用が高いのが欠点です。
外見はセラミックですが、中身のフレームが金属でできています。このため耐久性と強度に優れており、奥歯をセラミックにする際におすすめです。劣化してセラミックが剥がれると金属が露出するため、審美性はオールセラミックに劣ります。
人工ダイヤモンドを使用しているため、メタルボンド同様に耐久性と強度に優れたセラミックです。さらにメタルボンドよりも美しく、金属を使用していないので金属アレルギーの方でも安心です。欠点を挙げるなら、オールセラミック同様に費用が高いことです。
2014年の健康保険改定により、ハイブリッドセラミックに健康保険が適用されるようになりました。ただし、従来のハイブリッドセラミックに健康保険が適用されるわけではありません。健康保険適用のハイブリッドセラミックは従来のものに比べて強度も耐久性も審美性も劣ります。
また、健康保険適用のハイブリッドセラミックは被せ物に限られるため、詰め物の場合は適用されません。さらに、健康保険適用は無条件ではなくいくつかの基準を満たす必要があり、その基準は歯科医院側や治療対象の歯に定められているので若干複雑です。
いかがでしたか?
最後に、ハイブリッドセラミックの説明についてまとめます。
1. ハイブリッドセラミックとは :レジンにセラミックの微粒子を練り込んだもので、材質的にはレジンに近い
2. ハイブリッドセラミックの特徴 :イメージとしては、レジンがより頑丈で美しくなったもの
3. 他のセラミックとの比較 :費用が安い反面、審美性や機能性において劣る
4. その他のセラミックの説明 :オールセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミック
5. 健康保険適用のハイブリッドセラミック :従来のハイブリッドセラミックより審美性と機能性が劣る
これら5つのことから、ハイブリッドセラミックの説明について分かります。ハイブリッドセラミックはセラミックよりもレジンに近く、そのため審美性と機能性において他のセラミックに劣ります。ただしその分費用が安く、そのお手軽さこそハイブリッドセラミックのメリットと言えるでしょう。