川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「プラークコントロールの説明」です。
歯周病の治療方法を説明する時、必ず登場する言葉がプラークコントロールです。
プラークコントロールは歯周病治療の基本であり、歯周病の進行度と関係なく必要です。
また、プラークコントロールは患者さん自身によって行う必要があります。
さてそんなプラークコントロールですが、そもそもどんな意味で何をすることなのでしょうか。
プラークコントロールを説明する上で知っておかなければならないのがプラークです。
プラークとは細菌の棲み処であり、その中には億単位の数の細菌が含まれています。
そして、歯周病をもたらす原因菌もまたプラークの中に含まれているのです。
歯周病を治すには原因菌の除去が必要ですから、その意味でプラークは除去しなければなりません。
さて、プラークは歯に付着しているヌルヌルの物質で歯磨きによって除去できますが、
完全な除去は容易ではなく、なぜなら透明なため目に見えないからです。
プラークコントロールとは、上記で説明したプラークを効率良く除去することです。
ちなみにプラークを除去するという点では、定期検診などで行う歯のクリーニングもそれに該当します。
ただし、歯周病治療において求められるのは患者さん自身によるプラークコントロールです。
つまり患者さんが日常生活の中で行うもので、その方法のメインは歯磨きです。
最も、歯磨きなら毎日欠かさず行っている方がほとんどでしょうが、
きちんとプラークコントロールができている歯磨きを行っている方は、実はかなり少ないと考えられます。
歯磨きをしたからといってプラークコントロールができているとは限りません。
と言うのも、多くのプラークを効率良く除去できなければ、それはプラークコントロールにならないからです。
プラークコントロールと呼べる歯磨きをするからには、精密な歯磨きをしなければなりません。
そうなると問題になるのは、どうすれば精密な歯磨きをできるのかということです。
そこで、そのために効果的な3つの方法を紹介します。
以下の3つの方法を実践すれば、毎日の歯磨きの効果が確実かつ格段に高まります。
ブラッシングだけの歯磨きでは、プラークの除去率は6割程度とされています。
しかし、デンタルフロスを使えばプラークの除去率がさらに2割高まります。
これは歯と歯の隙間など、歯ブラシが届かない箇所も綺麗にできるからです。
<ポイント 歯間ブラシではダメなの?>
デンタルフロスではなく歯間ブラシを使っても問題ありません。
最も、デンタルフロスと歯間ブラシは用途が異なり、歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨くためのものです。
また、デンタルフロスは虫歯予防、歯間ブラシは歯周病予防に効果的とされています。
歯科医院の定期検診、もしくは予防歯科ではブラッシング指導を行っています。
その人の歯並びに合った、効率の良い精密な歯磨きの仕方を指導します。
指導による歯の磨き方を実践することで、毎日の歯磨きの精度が高まります。
<ポイント インターネットの動画で覚えても良いの?>
インターネットでも正しい歯の磨き方の動画があるかもしれませんが、あくまでそれは一例です。
と言うのも、歯並びは人それぞれ異なりますし、自分の歯並びに合った磨き方を覚えることが必要です。
このため実際に歯科医に歯並びを診てもらい、その上でブラッシング指導を受けてください。
プラークテスターはプラークを染め出し、目で見える状態にすることができます。
このため、使用することで磨き残しが目で確認でき、確実に全てのプラークを除去できます。
プラークテスターはプラークチェッカーとも呼ばれ、ドラッグストアやインターネットで購入できます。
<ポイント 1度使えば良いの?>
プラークテスターは、何日か連続して使用するとより効果的です。
連続して使用すれば染色される箇所がパターンとして分かるため、
それによって自分の歯磨きの弱点…つまり磨き残しやすい箇所を把握できるからです。
いかがでしたか?
最後に、プラークコントロールの説明についてまとめます。
1. プラークとは :細菌の棲み処で、歯の表面に付着している透明でヌルヌルした物質
2. プラークコントロールとは :効率良くプラークを除去すること
3. 歯磨きによるプラークコントロール :デンタルフロスの使用、ブラッシング指導を受けるなどが必要
これら3つのことから、プラークコントロールの説明について分かります。
プラークコントロールは歯周病治療において必須ですが、そもそも普段から実践することが大切です。
普段からプラークコントロールができていれば虫歯や歯周病を予防しやすくなります。
また、毎日プラークコントロールができていることでプラークコントロール自体が容易になり、
口の中を常にプラークの少ない清潔な状態に保つことができるのです。