川崎市矢向の歯医者さん、伴場歯科医院です。
今回のテーマは「歯磨きする時に歯磨き粉は使用すべきなのか」です。
歯科医のブログを読んだことがある人なら覚えがあるかもしれませんが、
中にはブログで「私は歯磨き粉を使わずに歯磨きしている」と公言している歯科医もいます。
そして、その公言から「歯磨き粉を使うのは本当に良いことなのだろうか?」と疑問を抱く人もいます。
確かに、歯のプロフェッショナルでもある歯科医が歯磨き粉を使わないとなると、
歯磨き粉の必要性を疑問に思えてしまう気持ちは分かります。
そこで、ここでは歯磨きする時に歯磨き粉を使うのは良いことなのかについて説明していきます。
そもそも歯磨き粉を使わずに歯磨きする人はなぜ使わないのか?…その理由は主に2つです。
1つは歯磨き粉を使わなくても充分綺麗にできるというもので、
確かにプラークや食べカスは歯磨き粉を使わなければ除去できないというわけではありません。
歯磨き粉なしのブラッシングでも、プラークや食べカスを除去することは充分可能です。
そしてもう1つの理由は研磨剤です。歯磨き粉には研磨剤が配合されていますが、
研磨剤とは研磨…つまり文字どおり削って汚れを落とす効果があります。
歯磨き粉を使わない人は、この研磨剤によって歯が削られることを問題視しているのです。
歯磨き粉を使わなくても綺麗になる、研磨剤が歯に悪影響を及ぼす…これらが歯磨き粉を使わない理由です。
では本当に歯磨き粉を使わなくても歯を綺麗にできるのでしょうか?…その答えはイエスです。
ただし、それにはいくつか問題点があるのも事実です。まずブラッシングの技術が求められることで、
正しい歯磨きの方法を知っている歯科医ならともかく、
一般の人が歯磨き粉なしのブラッシングのみで綺麗にするのは正直難しいでしょう。
その他の問題点としては、歯磨き粉の効果を一切得られないことです。
と言うのも、歯磨き粉にはフッ素による虫歯予防効果や、ミントによる口臭予防効果があります。
つまり、歯磨き粉には歯を綺麗にする以外にも虫歯予防や口臭予防の効果があるのです。
歯磨き粉を使わなくても歯は綺麗にできますが、当然これらの効果は全く得られなくなってしまいます。
歯磨き粉に含まれる研磨剤は本当に歯に悪影響を及ぼすのでしょうか?…その答えはノーです。
工場などで働く人は普段仕事で研磨剤を使う機会があるかもしれませんが、
工業用の研磨剤と歯磨き粉に含まれる研磨剤は全くの別物で、配合する量がきちんと考えられています。
つまり、歯磨き粉に含まれる研磨剤は人の歯に害がないよう調節されているのです
。
また、歯を削ってしまうという点においては、むしろ歯磨き粉を使わない方がリスクは高まります。
なかなか歯が綺麗にならないことで長時間、それもゴシゴシと磨くことで歯を傷つけてしまうからです。
正しい磨き方を知っていて効率よくプラークや食べカスを除去できるならともかく、
それができなければ歯磨きに時間が掛かって逆に歯を傷つけてしまうのです。
例え歯磨き粉を使ったとしても、適当に磨いていては歯を綺麗にすることはできません。
最も、歯磨き粉のスッとした感触や心地よさは歯が綺麗になる錯覚を受けるため、
その点は歯磨き粉を使用することのデメリットになるのではないでしょうか。
つまり、歯磨きにおいて重要なのは歯磨き粉を使うかどうかではなく、
歯を綺麗に磨けているかどうかにあるのです。
定期検診に通ってブラッシング指導を受け、正しい歯磨き方法を身につけてください。
そして正しい歯磨き方法を実践できるようになったら、改めて歯磨き粉の使用の有無を考えてください。
いかがでしたか?
最後に、歯磨きする時に歯磨き粉は使用すべきなのかについてまとめます。
これら4つのことから、歯磨きする時に歯磨き粉は使用すべきなのかが分かります。
まとめると、歯磨き粉を使うのがダメというわけではありません。研磨剤で歯が傷つくことはないですし、
むしろ歯磨き粉なしでゴシゴシと長時間磨いた方が歯は傷つきます。