歯科医院で治療できる虫歯以外の病気とは?

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歯科医院で治療できる虫歯以外の病気とは?

歯医者といえば「虫歯治療」のイメージが強いかもしれません。実は虫歯以外にも多くの病気や症状の治療を行っています。歯ぐきからの出血や口の中のしみる感覚、歯並びの乱れ、歯の黄ばみ、さらには顎や噛み合わせの不調まで、歯科医院で対応できる範囲はとても広いのです。

今回は、歯科医院で治療できる「虫歯以外の病気」について、症状や原因、治療法をわかりやすく解説します。「痛くないから大丈夫」と思っていた症状も、実は治療が必要な病気かもしれません。歯と口の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

歯科医院と聞くと、多くの方は「虫歯になったら行く場所」というイメージを持つかもしれません。実際には歯ぐきの病気、知覚過敏、噛み合わせの異常、歯の欠損、見た目に関する悩みなど、多岐にわたる症状に対応しています。

こうした幅広い治療が可能な背景には、歯が全身の健康に大きく関わっているという事実があります。食事や会話、表情づくりにも影響する口の健康を守るため、歯科医院は総合的なケアの場となっています。

「歯が痛くないのに通院?」そんな病気もある

歯科医院を訪れる理由は人それぞれです。歯がしみる、歯茎が腫れている、歯並びが気になる、口臭が気になるなど、虫歯以外の症状で来院する方も少なくありません。ライフステージや目的に応じた治療・ケアが行われます。

歯を守る治療と失った後の治療のちがい

歯科治療は大きく分けると、「歯を守るための治療」と「歯を失った後の治療」の2つです。歯を守る治療には、虫歯や歯周病の治療、詰め物や被せ物で歯を補強する修復治療、歯の神経を守る歯内療法、歯並びを整える矯正治療などがあります。これらは、できるだけ自分の歯を残すことが目的です。

歯を失った後の治療では、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで欠損部分を補います。失った歯を補うことで、かむ力や発音機能を回復し、見た目や口元の自然さも取り戻すことが可能です。

専門分野ごとに異なる治療の役割

虫歯や歯周病を扱う一般歯科、歯並びを整える矯正歯科、見た目の美しさを追求する審美歯科、外科的処置を行う口腔外科など、専門分野があります。症状によっては複数の専門が関わることも多く、分野ごとの役割を理解しておくと、受診時の相談がスムーズになります。

歯周病は日本人の成人の約8割がかかっているといわれる病気です。歯ぐきの炎症から始まり、進行すると歯を支える骨が溶けてしまいます。初期は自覚症状が少ないため気づかず放置されやすく、結果的に歯を失う最大の原因となっています。歯磨き時の出血や口臭の変化は、早期発見の大切な手がかりです。

自覚症状がなくても進行する怖い病気

歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれます。軽度の段階では、歯ぐきの腫れや出血、軽い口臭などの症状しかなく、痛みはほとんどありません。しかし進行すると歯ぐきが下がり、歯が長く見えるようになり、やがて歯が揺れてきます。最終的には歯を支える骨が大きく失われ、抜歯が避けられなくなります。

歯周病治療と再発を防ぐ生活習慣

歯周病治療の基本は、歯垢や歯石を徹底的に除去することです。軽度であればスケーリング(歯石取り)で改善できますが、中等度以上では歯周ポケット内の清掃(ルートプレーニング)や外科手術が必要になることもあります。治療後も、毎日の丁寧なブラッシング、フロスの使用、糖分の多い食事の見直し、禁煙など生活習慣の改善が再発予防に欠かせません。

冷たい飲み物を口にしたときや、歯磨きの際にキーンとしみる感覚がある場合、それは知覚過敏かもしれません。知覚過敏は、歯の表面のエナメル質がすり減ったり、歯茎が下がって象牙質が露出することで、刺激が神経に伝わりやすくなる状態です。

冷たい水や歯ブラシで痛む理由

象牙質には無数の細い管(象牙細管)が通っており、その先には歯の神経があります。エナメル質や歯ぐきに守られている状態では問題ありませんが、摩耗や歯肉退縮で露出すると、温度変化や物理的刺激が直接神経に伝わり、鋭い痛みを感じます。歯ぎしりや酸の多い飲食物も原因のひとつです

歯科医院で行う知覚過敏ケア

歯科医院では、知覚過敏の程度や原因に応じた治療を行います。歯の表面にコーティング剤を塗布して刺激を遮断する方法、樹脂で象牙質を覆う方法、歯ぐきの移植手術などがあります。また、噛み合わせや歯ぎしりが原因であれば、マウスピースの装着や咬合調整が行われます。

歯並びや噛み合わせの異常は、見た目の印象だけでなく、噛む機能や発音、全身の健康にも影響します。放置すると顎や首の筋肉に負担がかかり、慢性的な頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。技術の進歩により、目立ちにくく快適な装置が登場し、年齢や生活スタイルに合わせた治療が可能です。

歯並び改善がもたらす見た目以上のメリット

矯正治療の効果は、見た目の美しさだけではありません。歯並びやかみ合わせが整うことで、かむ力が均等になり、食べ物をよく噛めます。これにより消化を助け、胃腸への負担を減らす効果も期待できます。これは、見た目以上のメリットです。

また、発音の改善や、あごや首周りの筋肉への負担軽減による頭痛・肩こりの緩和など、全身への良い影響も報告されています。清掃性が向上することで虫歯や歯周病のリスクが減り、将来の歯の健康寿命を延ばすことにもつながります。

目立たない矯正装置

従来の矯正は金属のワイヤーとブラケットを使う方法が一般的でしたが、現在では目立ちにくい装置が増えています。たとえば、透明または歯の色に近いブラケットを使用した装置や、歯の裏側に取り付ける舌側矯正、取り外し可能な透明マウスピース型矯正(インビザラインなど)があります。

ただし、症状や希望する治療期間によって適した方法は異なるため、事前のカウンセリングで十分に相談しましょう。

見た目に自信が持てるようになることは、笑顔や会話の自然さにも影響し、日常生活の質を高める効果があります。また、見た目を整える過程で歯の形や位置が改善されると、清掃性が上がり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。

黄ばみや変色を改善するホワイトニング

ホワイトニングには、自宅で行う「ホームホワイトニング」と歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」があります。どちらも歯の表面の着色を分解し、白く美しい歯にします。ただし、重度の変色やエナメル質の損傷がある場合はホワイトニングが適さないこともあるため、事前に歯科で診断を受けることが重要です。

セラミック治療で整える歯の形と色

セラミックは天然歯に近い色や透明感を持ち、被せ物や詰め物として使用されています。金属アレルギーの心配もありません。長期的に美しさを保てます。歯の欠けや形の不揃いを整える目的でも利用できます。

歯を失うと噛み合わせや見た目、発音に影響し、放置するとさらに歯を失いやすくなります。補綴治療によって機能と見た目を回復することが重要です。

入れ歯・ブリッジ・インプラントの違い

入れ歯は取り外し式で費用が比較的安く、治療期間も短めです。ブリッジは隣の健康な歯を削って橋渡しをする方法です。インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込み、自然な噛み心地と見た目を再現しますが、外科手術が必要です。

自分に合った補綴治療を選ぶポイント

費用、治療期間、メンテナンスのしやすさ、見た目の自然さなどを総合的に考えて選択します。生活習慣や全身の健康状態も考慮する必要があるため、歯科医師との十分な相談が不可欠です。

予防歯科は、虫歯や歯周病になってから治すのではなく、病気になる前に防ぐことを目的とした診療です。歯科医師や歯科衛生士が定期的に口の状態をチェックし、必要に応じて専門的なケアや生活習慣のアドバイスを行います。こうした取り組みが、将来的に治療の回数や費用を減らし、自分の歯を長く使い続けることにつながります。

プロのクリーニングとセルフケアの違い

毎日の歯磨きやデンタルフロスは、口腔内の健康維持に欠かせませんが、自宅でのセルフケアだけではどうしても落としきれない汚れがあります。プロのクリーニングは、専用の器具や研磨剤を使って、歯垢や歯石を徹底的に除去します。特に歯周ポケットの奥や歯と歯の間など、自分では磨きにくい部分までケアできるのが特徴です。

定期検診が全身の健康につながる理由

口の健康は、全身の健康と密接に関わっています。歯周病菌は血流を通じて全身に影響を及ぼし、糖尿病や心疾患、脳血管疾患のリスクを高めることが知られています。定期検診では、虫歯や歯周病の早期発見だけでなく、噛み合わせや口腔機能の低下、口内の粘膜異常なども確認できます。「痛みがないから行かない」のではなく、「痛みが出ないように通う」ことが、これからの歯科との上手な付き合い方です。

歯科医院は、虫歯治療はもちろん、歯周病や知覚過敏、歯並びの改善、見た目を整える審美治療、さらには在宅での診療まで、幅広い役割を担っています。これらの治療やケアは、単に口の中を健康に保つだけでなく、全身の健康や日常生活の質にも直結します。

痛みや違和感が出てからでは、治療の負担も費用も大きくなりがちです。定期的な検診や予防歯科を活用することで、「治療しない未来」をつくり、自分の歯を長く守れます。もし今、口の中に気になることがある方は、症状が軽いうちに、または症状がなくても一度歯科医院でチェックを受けてみましょう。

伴場歯科では、一人ひとりに寄り添った治療で、健康な笑顔を守ります。まずはお気軽にご相談ください。あなたに合った最適な治療をご提案します。