歯の詰め物が取れた時の対処法

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歯の詰め物が取れた時の対処法

「食事中に詰め物が取れてしまった…」そんな経験はありませんか? 痛みがなくても放っておくのは危険です。取れた部分から虫歯が進行することもあれば、再治療が必要になる場合もあります。

この記事では、正しい対処法や歯科での流れ、素材の選び方まで丁寧にご紹介します。詰め物が取れてどうしようと困っている方は参考にして下さい。

詰め物が取れた直後の対応は、その後の治療結果に大きく関わります。ここでは、やるべきことを3つご紹介します。

詰め物は失くさず、壊さず、きちんと保管

詰め物が外れたとき、最初に意識すべきは「なくさないこと」です。取れた詰め物が再利用できるケースは少なくありません。状態が良ければ、そのまま再接着で済むこともあります。

小さなプラスチックケースやチャック付きの保存袋に入れて保管しましょう。カバンの中で押しつぶされたり、落として欠けたりするのを防げます。清潔な状態で、紛失や変形を避けることが何より大切です。

歯を守るための準備を

詰め物が取れたあとの歯は、とてもデリケートな状態です。空気や温度、食べ物の刺激に対して敏感になっているかもしれません。詰め物が取れた側では噛まないように意識してください。急に冷たい水などを口に含むとしみることもあるため、できるだけ常温のものを選ぶようにしましょう。

もししみる症状が出てきた場合は、やわらかめの歯ブラシでやさしく磨き、洗口液などで口腔内を清潔に保つのが効果的です。歯を刺激しないための環境を整えることが、「今できる守り」になります。

歯科医院に伝えるための情報を整理する

いざ歯医者に電話するときに、慌ててうまく伝えられない…というのはよくあります。落ち着いて「いつ取れたか」「どの歯か(前歯?奥歯?)」「痛みはあるか」「詰め物の素材(銀歯?白い?)」など、最低限の情報をまとめておくとスムーズです。

予約がすぐ取れなかった場合でも、「仮に数日空くとしたら何に気をつければいいか」を事前に相談するだけでも安心感が違います。正しい判断を仰ぐために、「状況の整理」も立派な行動のひとつです。磨き、洗口液などで

詰め物がポロッと取れたとき、慌てて自己流で対処してしまう人は少なくありません。ここでは、歯科医が実際に何度も目にしている「やってはいけないNG行動」を6つ紹介します。これを知っておくだけで、トラブルを最小限に抑えられます。

自分で詰め物を戻す

「なんとなく元に戻りそう」「見た目が気になるから」と、取れた詰め物をそのまま歯にはめる方がいますが、やってはいけません。詰め物は見た目以上に精密に作られており、正しい角度・位置・噛み合わせがすべて揃っていないと歯にダメージを与えてしまいます。

無理に押し込むと、詰め物が変形したり、歯が欠けたり、場合によっては神経にまで負担がかかることもあります。元の位置にはめたくなる気持ちは分かりますが、絶対に避けてください。食事中に戻したまま噛んでしまった場合、圧力で歯が割れてしまう可能性もあります。

市販の接着剤でつけ直す

「少しくっつけておけば大丈夫」と、瞬間接着剤や文具用ののりなどで詰め物を戻そうとする方がいますが、これは絶対にNGです。市販の接着剤は口の中で使うことを想定していないため、有害な成分が粘膜や歯に悪影響を与える可能性があります。

さらに、接着力が強すぎると歯科医院で取り外す際に、健康な歯まで削ることになったり、詰め物自体を破損させてしまったりすることもあります。に避けてください。食事中に戻したまま噛んでしまった場合、圧力で歯が割れてしまう可能性もあります。落として欠けたりするのを防げます。清潔な状態で、紛失や変形を避けることが何より大切です。

ティッシュに包んで持ち歩く

ティッシュに包むと、軽くて紛失しやすく、ポケットの中で破れたり、湿気で詰め物が傷んでしまったりします。また、ティッシュの繊維が詰め物の表面につき、再接着の際に邪魔になることもあります。

詰め物が取れた歯で噛む

取れた部分の歯は、守りがないむき出しの状態です。いつも通り噛んでしまうと、咀嚼の力がダイレクトに加わり、歯にヒビが入ったり、最悪の場合は割れてしまうことがあります。

硬い食べ物や、無意識に噛み締めたときの圧力は非常に強く、気づいたときには取り返しがつかないケースもあります。反対側の歯でやわらかいものを噛むように意識しましょう。

冷たい・熱い・甘いものを摂取する

詰め物が外れたことで、歯の内側が露出している可能性があります。刺激に対して過敏に反応するため、冷たい水、熱いスープ、甘いお菓子などは「しみる」「ズキッと痛む」などの症状を引き起こしやすく、さらなる炎症を招く原因になります。食事や飲み物はできるだけ常温に近いものを選びましょう。

「痛くないから大丈夫」と放置する

詰め物が取れたとき、痛みがまったくないケースもあります。しかし、問題がないという意味ではありません。内部で虫歯が再発していたり、歯にヒビが入っていたりすることもあり、無症状=安心ではないのです。

さらに、時間が経てば経つほど、歯が動いてしまって詰め物が合わなくなったり、汚れが溜まって虫歯が急速に進行することもあります。痛みがなくても、必ず歯科医院に相談するようにしてください。

詰め物が取れる原因は一つではありません。時間の経過による自然な変化から、生活習慣の影響まで、いくつかの要因が関わっています

セメントの劣化

詰め物や被せ物は、専用のセメント(接着剤)によって歯と固定されています。しかしこのセメントも、経年劣化によって徐々に接着力が弱まるのが避けられません。10年以上使っている場合は、口の中の湿気や温度変化、咀嚼時の圧力などで接着面がゆるみやすくなります。

目立った症状がなくても、ある日突然ポロッと取れることもあります。定期的な検診でセメントの劣化を早めに発見できれば、取れる前に対処できることもあります。

虫歯の再発

詰め物の下で虫歯が再発していた場合も、外れる原因になります。いわゆる「二次虫歯」と呼ばれる状態で、詰め物と歯のすき間から虫歯菌が侵入し、歯質が溶けてしまうのです。

これにより接着面に隙間ができてしまい、セメントの劣化と相まって詰め物が外れやすくなります。取れた部分が黒くなっていたり、甘いものがしみる場合は、虫歯の進行が原因の可能性が高いでしょう。あります。定期的な検診でセメントの劣化を早めに発見できれば、取れる前に対処できることもあります。

歯ぎしり・食いしばり

就寝中の歯ぎしりや、無意識の食いしばりも、詰め物にとっては大きな負担です。強い力が繰り返し加わることで、詰め物が揺さぶられたり、圧力で接着力が弱まることがあります。

金属の詰め物は、歯よりも硬いため、噛む力を受け止めきれずに歯にダメージが及ぶケースもあります。朝起きたときに顎がだるい、歯がすり減っている気がするという方は、歯ぎしりの影響を疑ってもよいかもしれません。あります。定期的な検診でセメントの劣化を早めに発見できれば、取れる前に対処できることもあります。

噛み合わせの変化

歯は少しずつ動いています。歯を抜いたまま放置していたり、加齢や歯周病で歯の位置が変わったりすると、噛み合わせがズレてきます。その結果、詰め物に予想外の力がかかり、外れやすくなるのです。

また、上下の歯の当たり方が変わることで、詰め物と歯の隙間に負担がかかり、隙間から細菌が入り込む原因にもなります。定期検診で噛み合わせをチェックしてもらうことは、詰め物の長持ちにもつながります。

詰め物が取れた状態で歯科医院を受診すると、まず行われるのは歯と詰め物の状態の確認です。ここでは、診察から処置までの一連の流れをご紹介します。

視診・レントゲンによる確認

診察ではまず、肉眼での視診と、必要に応じてレントゲン撮影が行われます。これにより、詰め物が再利用できるか、歯に虫歯やヒビなどの問題があるかを詳しく調べます。一見きれいに見える詰め物でも、内側に虫歯が進行していたり、歯が欠けているかもしれません。その場合は再接着が難しくなります。

再利用できる場合の処置

詰め物が問題なく再利用できると判断された場合は、詰め物と歯の表面を丁寧に清掃し、接着面を再調整したうえで、新しい接着剤で装着します。処置は比較的シンプルで、通院回数は1〜2回程度で済むことが多く、歯を削る量も最小限に抑えられます。痛みや大がかりな処置が不要なため、負担も軽く済むのがメリットです。

再治療が必要な場合の対応

再利用できないと判断された場合は、新たに詰め物を作り直す治療が必要になります。この場合、まず虫歯の部分を削って取り除き、そのうえで歯型を取り、新しい詰め物(または被せ物)を製作します。素材や治療方針によって異なりますが、治療回数は通常2〜3回が目安です。

詰め物が取れたとき、患者さんからよく寄せられる疑問を3つピックアップしました。

Q:詰め物を飲み込んだけど大丈夫?

A:ほとんどの場合、自然に便とともに排出されます。金属や樹脂などの歯科素材は人体に大きな害を及ぼすことは少なく、胃腸で溶けることもありません。ただし、のどに違和感が残る、咳が続くなどの場合は、誤嚥の可能性もあるため、念のため内科を受診してください。

Q:他院でも診てもらえる?前の医院じゃないとだめ?

A:詰め物の再装着や再治療は、どの歯科医院でも対応可能です。治療を受けた医院でなくても問題ありません。ただし、過去の治療記録があった方がスムーズなこともあるため、前の医院で治療内容が分かっていれば伝えましょう。

Q:見た目が気になるけど、どう相談すればいい?

A:「白い詰め物に変えたい」「金属を避けたい」といった希望は、遠慮せずに伝えて大丈夫です。保険・自費の違いや見た目の比較も、歯科医院で丁寧に説明してもらえます。遠慮せず、率直に希望を伝えることが納得の治療につながります。

詰め物が取れたときは、焦らず冷静に対応することが何より大切です。取れた詰め物を正しく保管し、できるだけ早く歯科医院に相談することで、再接着できる可能性も広がります。

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