マウスピース矯正ってどうなの?

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マウスピース矯正ってどうなの?

目立たない歯列矯正として注目を集めている「マウスピース矯正」は、従来のワイヤー矯正とは違い、見た目を気にせず歯並びを整えられるというメリットがあります。一方で、「本当に効果はあるの?」「費用はどれくらいかかるの?」「痛みや食事への影響は?」と、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、初めてマウスピース矯正を検討する方に向けて、わかりやすく解説します。矯正治療は、自分のライフスタイルや口元の状態に合った選択をすることが大切です。マウスピース矯正が自分に合っているかどうか、ぜひ参考にしてみてください。

マウスピース矯正は、薄くて透明なマウスピース型の装置を使って歯並びを整えていく矯正方法です。1〜2週間ごとに段階的に形の異なるマウスピースに交換しながら、少しずつ理想の位置に歯を動かしていきます。

見た目の自然さや取り外せる便利さから、人前に出る機会が多い社会人や学生の間で人気が高まっています。従来のワイヤー矯正とは異なり、日常生活へのストレスが少ない点が特徴です。ただし、自己管理が必要で、適切な装着時間を守ることが治療の成否に大きく影響します。

ワイヤー矯正との違いとは?

マウスピース矯正とワイヤー矯正は、どちらも歯を動かすという目的は同じですが、使う装置やライフスタイルへの影響に違いがあります。マウスピースは透明で目立ちにくく、自分で取り外しができるのが最大の特徴です。一方で、ワイヤー矯正は歯に固定された金属製の装置を使うため目立ちやすく、口内炎などのリスクもあります。

通院頻度は、ワイヤー矯正が毎月1回程度に対し、マウスピース矯正は1〜2ヶ月に1回と少なめです。痛みに関しても、マウスピースのほうが比較的軽度で済むことが多いとされています。

歯はどうやって動くの?

歯は、根元にある「歯根膜」に力が加わることで、骨が吸収されたり再生されたりしながら移動していきます。これはワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも共通する仕組みです。

マウスピース矯正では、この力を少しずつ段階的にかけていくことで、無理なく歯を動かします。1枚あたりのマウスピースで動かせる距離はごくわずかですが、連続して使用することで確実に歯並びが整っていきます。過剰な負荷をかけにくいため、歯や歯茎にやさしい点が特長です。

マウスピース矯正は、見た目や快適さの面で多くの支持を集めている矯正方法ですが、すべての方にとって万能な治療法というわけではありません。見えにくい、取り外せるといった特徴は大きなメリットである一方で、装着時間の自己管理や適応症例の制限など、注意するべき点も存在します。

マウスピースのメリット

最大の魅力は、装置が透明で目立ちにくいことです。日常生活で人と接する機会が多い方でも、矯正中であることに気づかれにくく、見た目のストレスが少なくて済みます。

また、自分で簡単に取り外せるため、食事や歯磨きの際には外して普段通りの生活を送れます。ワイヤー矯正で起こりやすい口内炎や金属による違和感も少なく、装着感も比較的快適です。さらに、通院回数が少なくて済む点も、忙しい人にとっては大きなメリットでしょう。

知っておきたいデメリット

自己管理が治療結果に直結する点に注意が必要です。原則として、1日20時間以上の装着が必要のため、食事や歯磨きの時間以外は基本的につけておかないといけません。装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、治療が長引いたり効果が出なかったりするリスクがあります。

また、装置を取り外している間に紛失や破損のリスクがあること、装着中は飲食に制限があることも不便に感じる点です。対応できる症例にも限りがあり、重度の歯列不正には不向きな場合があります。

向いている人・向いていない人の違いとは?

軽度〜中等度の歯並びの改善を目指す方や、見た目や生活の自由度を重視する人に向いています。仕事やプライベートで人前に出る機会が多い方、食事や清掃をしっかり行いたい方にはおすすめです。

装着時間の管理に不安がある方や、複雑な歯列や骨格の問題を抱えている場合は、マウスピース矯正だけでは対応が難しいこともあります。その場合は、ワイヤー矯正や外科的治療を含めた治療も検討しましょう。事前に歯科医師による正確な診断を受けることが大切です。

マウスピース矯正を検討するうえで、「どんな手順で進むのか」「どれくらいの期間がかかるのか」は気になるポイントです。ここでは、一般的なマウスピース矯正の流れと、治療期間の目安、通院の頻度など、事前に知っておきたいスケジュール面について詳しく解説します。

カウンセリングから治療開始までの流れ

マウスピース矯正は、まずカウンセリングからスタートします。歯科医院では現在の歯並びの悩みや希望をヒアリングしたうえで、治療の適応を判断するための精密検査が行われます。検査は、口腔内写真の撮影、レントゲン、歯型のスキャンなどです。

これらの情報をもとに、歯の動き方をシミュレーションした治療計画が作成され、内容に納得したら契約・製作に進みます。専用のマウスピースが完成したら、いよいよ矯正スタートです。初診から実際の治療開始までは2〜4週間程度かかるのが一般的になります。

治療期間の目安と完了後の保定について

治療期間は歯並びの状態や矯正の範囲によって異なります。前歯だけを整える「部分矯正」であれば2ヶ月〜1年程度、奥歯も含む「全体矯正」では1〜3年程度が目安です。歯を抜くケースではやや長くなる傾向があります。

治療が完了しても、歯はすぐに安定するわけではありません。矯正後は「保定期間」と呼ばれるフェーズに入り、歯並びが元に戻らないように保定装置(リテーナー)を一定期間装着します。リテーナーの装着は、最初は1日20時間程度、その後は就寝時のみと段階的に減らしていくのが一般的です。

通院頻度は?忙しい人でも続けやすいの?

マウスピース矯正は、装置を自分で交換していくスタイルのため、ワイヤー矯正に比べて通院頻度が少なくて済むのが特徴です。通常は1〜2ヶ月に1回程度のチェックで問題ありません。場合によっては、途中経過をオンラインで確認するクリニックもあります。

そのため、仕事や学業が忙しく定期的な通院が難しい方にとっても、続けやすい矯正方法といえるでしょう。ただし、通院頻度が少ない分、装着時間の管理や口腔ケアなどを自分でしっかり行うことが大切です。

費用は、矯正の範囲や使用する装置の数、クリニックの料金体系によって大きく異なります。また、本体価格だけでなく、検査料や通院時の調整費、治療後の保定装置代など、追加でかかる費用もあります。

部分矯正と全体矯正で大きく異なる費用相場

矯正する範囲によって費用は大きく変わります。前歯など一部だけを動かす「部分矯正」は、10万〜40万円ほどが目安です。動かす歯が少なく、比較的短期間で終わるため、費用を抑えられます。

上下すべての歯並びを整える「全体矯正」は、60万〜100万円程度が相場です。治療範囲が広く、マウスピースの枚数も多くなるため、全体的に費用は高くなる傾向があります。

検査費・調整料・リテーナー代などの追加費用に注意

矯正費用には、装置代以外の費用も含まれることがあります。たとえば初回の精密検査には1万〜5万円前後、治療中の調整料は1回あたり3,000〜10,000円ほどかかることがあります。

治療終了後に使う保定装置(リテーナー)も別料金の場合が多く、上下で1万〜5万円前後が目安です。これらの追加費用がどこまで含まれているかは、医院ごとに違うため、事前に確認しておきましょう。

マウスピース矯正は日常生活への負担が少ない治療法ですが、装着中の過ごし方にはいくつか注意点があります。食事や歯のケア、装置の取り扱い方を正しく理解しておくことで、よりスムーズに治療を進められます。

食事・飲み物・ケア用品の扱いに注意

マウスピースは基本的に食事中は外さないといけません。装着したまま食べると破損や変形の原因になるため、必ず外しましょう。飲み物も水や無糖の炭酸水以外はNGです。ただし、飲み物についてや食後のケアについてはクリニックによって異なる場合があるため、確認しておきましょう。

食後はできるだけ歯を磨いてから装着するのが理想ですが、外出先ではうがいなどでも代用できます。携帯用のケースや歯ブラシを持ち歩くと安心です。

チューイーやリテーナーの正しい使い方

新しいマウスピースを装着した直後は「チューイー」という専用のシリコンをかむと、歯にフィットしやすくなります。毎日数分使うだけでも効果が安定します。

治療終了後に使うリテーナーも非常に重要です。これを使わないと、せっかく整えた歯が元に戻ってしまう「後戻り」が起きることがあります。装着時間と取り扱いに注意しましょう。

矯正中に快適に過ごすための工夫とは

最初のうちは違和感や軽い痛みを感じることがありますが、数日で慣れる方がほとんどです。乾燥が気になる場合はこまめに水分をとるとよいでしょう。

装着時間を守るために、スマホのアラームや専用アプリを活用するのもおすすめです。日常に自然に組み込める工夫が、治療の成功につながります。

マウスピース矯正が自分に適しているかどうかは、歯並びや噛み合わせの状態によって異なります。まずは信頼できる歯科医院で診断を受け、治療内容・費用・期間についてしっかり相談することが第一歩です。

無理なく、納得のいく矯正治療を進めるために、正しい情報をもとに自分に合った選択をしていきましょう。伴場歯科医院では、日本矯正歯科学会認定医が一人ひとりの歯並びに合わせて、無理のない治療計画をご提案いたします。まずは気軽にご相談ください。見た目・快適さ・機能性の3つを大切に、納得のいく治療をサポートします。